本場: 2009年6月アーカイブ

八木節 八木節八木節八木節八木節 八木節

もう八木節のことを考えると止まらなくなってしまう僕ですが、
足利、大田と並び八木節の本場である桐生に足を運んだことはまだありませんでした。
現在活動している菅田米穀店芸能部では日本の芸能(ビート)を幅広く紹介していくつもりですが、
目下の対象は民謡です。

民謡は民の謡であり、個人の歌ではありません。
ここは重要なところで、
僕らはあくまでも借り物で演奏してるという意識を捨ててはならないと思っています。
著作権の無い民謡であれ、借り物である以上借してくれる人にお伺いを立てるのは当然の礼儀な訳で。。

では誰にお伺いを立てるのか?

これは当然本場の民だと思っています。
だからこそメンバーには本場出身の人間を入れたいし、現地を訪れる必要があるのです。
さて前置きが長くなりましたが、そんなこんなで群馬県桐生市へ行って参りました。

わたらせ渓流鉄道足利と桐生をつなぐJR両毛線はもう乗っているだけで、八木節気分!
途中に「国定」(国定忠治の国定村)という駅まであり、これで興奮しない八木節ファンはいないでしょう?

同乗した学生を横目で見ながら、
「きっと八木節唄えるんだろうな~」
とか思い勝手に尊敬したりしてました。
*ちなみに写真はわたらせ渓流鉄道



到着後、向かったのは飯塚晃弘さん(本町五丁目の町会長)の経営する洋品店。
この日も注文が入り忙しくしてらしたのですが、
せっかく来たんだからと、早速八木節の演奏が行われる鉾会館を案内して頂ました。

桐生八木節鉾会館に到着すると、
もう既にスタンバイ済み。
威勢のいい掛け声で始まった八木節はトータルの演奏時間
なんと約20分!
途中で歌い手の方が変わったとはいえ、なんたる体力でしょう?

踊りも手ぬぐい、扇子、笠、傘と文字通り手を変え品を変え踊り通しです。


演奏後、安部健治さん(桐生八木節連絡協議会会長)にご挨拶を済まし、
恐る恐る用意していたDVD(僕らの演奏)をお渡しすると、
「見ようや、見ようや」と何故か置いてあったDVDプレイヤーで早速再生。

自分で持っていったくせに何だかえらい恥ずかしかったのですが、
ご好評を頂き是非共演したいですねと畏れ多いお言葉。
「桐生八木節まつり」への出演も、連協(桐生八木節連絡協議会)側はOKとのこと。

連協さんのお墨付きをもらい、意気揚々と町会長の洋品店へ。
幻となりかけた八木節の祭典への出演がこうもすんなりと決まって良いものか?
いえ、さすがにそう簡単にはいかないんですね。

町会長さんによれば場所はあるにはあるものの、
売店が出ていたり他の出し物もあったりで時間の確約ができないとのこと。
「来てもらってできないってんじゃ、申し訳ないから」
いえいえ、突然押しかけて無理な注文してるこちらの方が申し訳ないです。。
ともかく今年は一度様子を拝見させて頂き、来年改めて出演交渉をすることとなりました。

桐生にてその後お昼までご馳走になり、そろそろおいとましようかと思っていると、町会長がこの人もと紹介してくれたのが

桐生中央商店街振興組合理事
西井憲一郎さん

西井さんは桐生の情報誌「織人」の編集からFM桐生のラジオ番組「織人ラヂオ」への出演と桐生の為に奔走してらっしゃる地元の有志です。
*写真は左から飯塚さん、西井さん。

織人そしてこれがその「織人」

織物で栄えた町であったことからこの名前が付けられたそうですが、内容も充実したこだわりの情報誌。
僕こういうの大好きです(笑)

桐生の歴史や伝説に焦点を当てた特集は貴重な写真も含め興味をそそられっぱなしでした。


地元に誇りを持ってる姿というのは見ていて気持ちがいいものです。

結局この日、町会長さんにはお土産まで持たせて頂きました。
ただの八木節が好きなヨソモノにお気遣い頂きありがとうございました。
次はまた「桐生八木節まつり」で!

さてさて、今回のまとめとして桐生に行って確信したことを一つ。
桐生に限らず本場を訪れて、何が地元の人を一番喜ばせるか?
それは、ヨソの人が地元の事に興味を持ってくれること。

うちの地元でもそうでした。
何よりも喜んでくれたのは結局、
わざわざ東京の人が踊りを習いに安芸津町まで来てくれたということでした。

これは冒頭で書いた僕の思いとは真逆であり、正直結構ショックでした(笑)
メンバーに本場出身者が居るということは、本場からすれば案外大して重要でない。。

でもよくよく考えれば正調ではないのだから当然の事かな。
何より地元の方に喜んでもらえるのが一番ですからね。
今後は本場であろうが無かろうが、やる気のある方とやっていきます。

ただし、借り物は借り物。

地元を訪れ了解を得る

この一点は決して譲らないつもりです。
いや~、固いな~(笑)


桐生中央商店街

https://www.kiryu.jp/joytown/

織人ラヂオ
https://blog.kiryu.jp/?p=980

安芸津町三津盆踊り唄

僕の実家の民謡であるこの曲を我が芸能部のレパートリーとすべく、
今回は踊りの瀧田くん、まりあちゃんを連れ実家安芸津町に戻って参りました。

毎年我が母校三津小学校運動会で披露される三津盆踊りを生で見てもらい、
その後保存会の方々直々に踊り・太鼓を教えてもらうという贅沢過ぎる程の日程です。

では早速、現役三津小学校5・6年生による盆踊りをどうぞ。
純粋にがんばっている子供達の姿を見ていただければ光栄です。

3曲メドレーで15分弱あるため、動画を2つに分けています。

「帰村・一つ拍子」




「豊年踊り」



動画では分りづらいかもしれませんが、
安芸津の盆踊りはただ輪になってぐるぐる回るだけではありません。
左右から合流したかと思うと十文字・輪・四角とめまぐるしく陣形が変わります。
その辺りに注目して見て頂くとまた興味深いのではないでしょうか。

当日は小学校時代仲の良かった同級生にも再会できましたが、
2人で当時を振り返りながら運動会を眺めるのは中々感慨深いものがありました。

今でもこうして盆踊りが続いていることを誇りに思います。
教員の方々並びに保存会の方々に感謝です。

そしてこれからは僕らの世代が盛り上げていく所存です。

菅田米穀店芸能部さて三津小の盆踊りを満喫した後は、
菅田米穀店(本部?)前で記念撮影。

今後の芸能活動にとって欠かせない、なんとも頼もしい二人です。

じいちゃんが生きてたらどう思うだろうな。。





さて、ここからが本番。
この日のために集まっていただいた、
市之町盆踊り保存会 の方々から直々に踊りの指導です。
それまでリラックスムードだった二人も真剣な表情で話を聞いていました。

以下がメンバーの方々
*順不同

地元がが誇るいわば三津盆踊りのオールスターです。

原田欣二さん
南清和さん
柄宣行さん
坂井敏雄さん
宮本教子さん
中村和彦さん
豊田昭洋さん


ビッグバンドをやっている人からすれば、カウント・ベイシー楽団にわざわざ集まってもらって教わるようなもの。なんと贅沢な。。

トータルで2時間強でしたが、最終的にはここまで踊れるようしっかり教わりました。





小学校では教えてない踊りも含め、全部で5パターンも踊りが存在します。
安芸津の祇園祭で町を練り歩く大名行列のやっこさんの動きが取り入れられていたり、
掘り下げれば踊りにも沢山の意味が込められていて興味深いです。
この辺りは瀧田くんにお任せですね。

3曲メドレーで演奏されるというのは日本の民謡の中でも特殊だと思いますが、
その演奏形態でも安芸津の盆踊りは変わっています。

まず何よりメロディー楽器がありません。

断片的にしか太鼓が出てこない、もしくはそもそもが太鼓がない、
といった民謡が多い中、太鼓しかないってのはかなり異色ではないでしょうか?

詳しくはまた別の機会に書きますが、「帰村」のリズム、これは2・4の変拍子です。
「一つ拍子」は読んで字のごとくドンとカッしか存在しない一つの拍子でドンは踊りに合わせます。
最後の「豊年踊り」はハッキリとした拍をもったリズム。
小泉文夫氏の体系化した八木節様式と言う部類に入るのだろうと思います。

余談ですがこの八木節様式で演奏されるリズムこそが、
現代の音楽に欠かせないビートまたはパルスと呼ばれるものです。
僕はここを追及していきたい。


これこそが全世界で通用するいわば汎用的なパターンです。
覚えてしまえばどこまでも応用が利きます。


なんで日本的なことをやりたいのにドラムでやるのかと最近よく聞かれますが、
当たり前の話ですが太鼓でやったらまんまになってしまうからです。

太鼓は持っていなければ演奏できませんが、リズムは知っていればどこでも表現できる。
ボンゴで演奏しようが、インドのタブラで演奏しようが、バケツを叩こうが、膝を叩こうが、
日本のリズム を表現できるんです

重要なのは使う楽器よりも、演奏する内容だと思ってます。
そりゃ、もちろん太鼓が一番いいっすよ。
けど外人さんは中々手に入れられない。
でもバケツくらいならどの国だってあるでしょう。

え~、話を戻して安芸津町の盆踊りですが、
地元にその可能性を秘めたリズムがあるというのは何とも誇らしく、
今後様々な場で発表していきたいと思います。

最後になりましたが、
お忙しい中お集まり頂いた市之町盆踊り保存会の方々、
動画UPを許可していただいた校長先生、PTA会長さん、
応援に駆けつけていただいた鈴木さん、
どうもありがとうございました。

毎年8月15日は安芸津町三津盆踊り!
機会があれば是非安芸津町に!



東広島市立三津小学校
https://www2.city.higashihiroshima.hiroshima.jp/~mitsu-sho/

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