2009年1月アーカイブ

幇間芸

これをホウカンゲイ読める人が今日本に何人いるでしょうか?

そういう僕も読み方が分からなかった一人ですが、
現在日本で4人しかやっていないというこの幇間芸も含め、
お座敷芸と呼ばれる芸能を集めた公演が有楽町のよみうりホールで行われました。

初春の賑わい・花のお座敷芸


元はと言えば現在通っている松本源之助社中の師匠が出演されるということで行ってみたのですが、師匠達の神楽囃子はもちろん、普段見ることのできないお座敷芸に時間も忘れて見入ってしまいました。

客層はやはり年配の方が多かったですが、チケットは完売!
貴重な芸能に沢山の人が興味を持っているのだと実感しました。

まず上のチラシを見たとき見慣れない「幇間」という言葉に、
写真のイメージから落語か?唄も歌うのかな?
と勝手に想像していましたが、お座敷と芸妓さんの芸の間を取り持つ
言うなれば何でも屋みたいな職業だそうです。

幇間芸をする人を男芸者、タイコモチとも言い、歌えと言われれば歌い踊れと言われれば踊り、
ものまねだって酌だってなんでもする。
こう書くとただのいじめられっこみたいですが、
あくまで笑いの主導権はタイコモチにあり、その巧みさには舌を巻きました。

僕は知りませんでしたが、じゃんけんのようなトラトラ(トラ・狩人・お母さんの3パターンで勝ち負けを決める)や野球拳もお座敷からできた遊びだったそうです。
※ちなみに服は脱がずお酒を飲む

今回の出演者は以下の通り

・土師流松本源之助社中(寿獅子舞、恵比寿大黒舞)
・悠玄亭玉八(幇間芸)
・櫻川七好(幇間芸)
・浅草芸妓連中(浅草芸者)


日本的ビートというよりただの芸能紹介になってしまいましたが、
現代では貴重なお座敷芸、お金のある人は浅草に足を運んでみてはいかがでしょうか。

風間雄太くん

ブラジルはサルバドールでの滞在中仲良くなった友達の一人で、
一時は同じ屋根の下二人で住んでいた事もある僕にとっては兄弟のような存在です。
そんな彼と昨日近くの居酒屋で飲みました。

その席上、
「光司郎くん、あの動画アップするっつて全然アップしないじゃん」
と、サルバドールで録画した動画の事を指摘された。

ああ、そうかあれか。
確かに。。

僕らがまだブラジルに居たころ、結婚した友人から披露宴で使いたいのでブラジルでの演奏シーンを撮って送ってくれと頼まれました。
そこでカポエラ(ブラジルの格闘技)をやっている雄太くんとカポエラ仲間であるメストリ・ミシェルにお願いし、ビリンバウ(カポエラで使う楽器)とのセッションを録画したのです。

動画はまぁ、これなんですが。



みんな黒いな~!?
あ、ミシェルは地黒か。

このセッションをする前ミシェルが言っていた事は今でも覚えています。

「俺はアフリカの伝統的なリズムじゃないとやりたくない!」

さすがは若くしてメストリ(カポエラの最高位)の称号を勝ち取っただけのことはある、
ルーツを大切にした誇り高い主張です。

まぁ、結果的にはアフリカとは関係ないリズムで彼が一番はしゃいでたんですけど(笑)



ただ、彼の要求が僕にはとてもショッキングで、
アフリカもいいけど日本のリズムで行こうよと日本人であるはずの僕がなんで主張できないのか。。
アメリカのリズムの方が乗りやすいよと、なんでアメリカ人でない僕が提案するのか。。
結果的にとても楽しかったけど、何だか自分が何者なのか分からなくなってしまうような、
そんな複雑な気持ちになった事を覚えています。


この時感じた事は今の活動の元になっているわけではありますが、
いつかまた日本的ビートで共演したいものです。

雄太くんは現在日本でカポエラの指導、普及に努めています。
カポエラの本場サルバドールでそれこそ本当に極限の状態で真剣に練習していた彼の姿は美しいものでした。

信じるものを見つけた人間は、ただもうひたすらに進むしかないのだと思います。
結果がどうであれその進んでいく過程はやっぱり美しいものなのだと思います。


坂口恭平

僕自身の割と狭い交友関係の中で色々な人に怒られ、諭され、励まされてきましたが、
彼ほど本当の意味で僕に説教をしてくれた人は居ません。

彼自身の活動はネットや新聞等で見てもらえればよく分かると思いますが、
僕の稚拙な文章では表現しきれない程多岐に渡っています。
写真、エッセイ、建築、デッサン、漫画、音楽、映像等々、ありとあらゆるもので坂口恭平を表現している、彼自身の言葉を借りれば「表現者」です。


彼とは以前「MAN」というバンドを一緒に結成して音源を録音したりしましたが、彼の海外での活動が忙しくなったりする中で現在は活動していません。

僕がブラジルから帰った折、以前のメンバーも含め僕の構想を聞いてもらったのですが、

「がっかりした、菅ちゃんブラジルでデビューして帰ってくるのかと思ってた。」

かな~りキツイ言葉でしたが、いやいや違うんだと、これから日本のビートをドラムでやるために全国を回るんだ、それに気づかせてくれたのがブラジルだったんだと言うと。

「なんだよ、ただの決意表明かよ、なんの実績も残さないでそんなの聞きたくない。」

うぅぅ。。

それから怒涛のごとく彼の説教は続きました。
もうこっちは泣き出さんばかりの心境でしたが、
こん畜生!絶対やってやる、それにはとにかく動いて示すしかない。

基本的に出不精な僕がこのブログで短期間に色々回れたのも彼の説教によるところが大きいのです。

そんな彼に今回は彼の出身地である熊本の民謡「牛深ハイヤ節」をお願いしました。
内容はこの通り。



それなりに僕がイメージしていた内容にはなりましたが、
ここでもうひと説教。

「そこそこいいのは出来たけど、やっぱ牛深行ってきちんと研究しないと」

そりゃそうだ。
八木節がわりとうまく行ったもんだから、調子に乗って斎太郎節、ハイヤ節ときたけども、
大切な部分を忘れてしまっていました。

長い年月をかけて出来上がった作者も分からない民謡を僕らがちょこっとCDを聞いてホイできましたと言ったところで、誰も聞きはしないし失礼だ。

ということで、この映像はあくまで途中経過ということで見て頂ければと思います。
ただCDを聞きまくって浮かび上がってきた締め太鼓のアクセントの謎(かなり変なアクセントの付け方をしています)もありますし、そこは今後牛深へ行って確かめてきます。

「著作権の問題は大丈夫なの?」

民謡に著作権は無いだろうと高を括っていましたが、確かめてはいませんでした。
僕らの演奏の元ネタになっている「ふるさとの民謡」シリーズの発売元であるキングレコードさんに問い合わせたところ、音源をそのまま使用するのでなければ著作権には抵触しないとの事。

こういうところも含め、きちんと調べた上で行動を起こしてこそ品質が上がるという事に改めて気付かされました。

応援してくれているからこそできるキツイ説教。
将来を見据えて叱ってくれる人は大事にしたいものです。


0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-
https://www.0yenhouse.com/house.html


新年明けましておめでとうございます。
本年もがんばって参りたいと思いますのでどうぞよろしくお願い致します。

平成21年年賀のサムネール画像のサムネール画像


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